英心塾の中村です。
「じっくり読めば分かる。でも、試験では読むのが間に合わない」
先日、生徒とそんな話をしました。英語でも国語でも、文章を読むのに時間がかかり、設問を考える時間が足りなくなる。悩んでいる人は多いと思います。
そこで今回お話ししたいのが「視読」です。ここでは、文字を見て、その意味を素早く捉える読み方という意味で使います。
一瞬でページを読み終えるような話ではありません。普段の単語学習や読解練習で、「知っている」を「見たら分かる」に近づけていく話です。
「知っている」と「すぐ分かる」には差がある
英文を読むとき、一語ずつ意味を思い出し、文法を確認し、日本語に組み直して、ようやく内容が分かる。そんな読み方になっていませんか。
初めて学ぶ表現や難しい構文では、丁寧に考える必要があります。ただ、知っているはずの単語や表現でも毎回立ち止まっていると、文章全体を読むのに時間がかかります。
例えば、見慣れた「apple」なら、いちいち訳を考えなくても、リンゴが思い浮かぶ人が多いでしょう。ほかの単語や表現も、練習によってそんな状態に近づけていきたいのです。
読む速さを上げるために、まず鍛えたいのは「意味を取り出す速さ」です。
単語帳で「すぐ分かるか」を確認しよう
単語を書くことや音読することは、大切な学習方法です。スペルを覚えたいとき、発音を確かめたいときにも役立ちます。そこに加えてほしいのが、目で見て、すぐ意味を答える練習です。
すでに使い込んだ単語帳なら、次のように確認してみてください。
単語チェック:正確さを保ってテンポアップ
01 意味を隠して見る
単語を見て、すぐに意味が浮かぶか確かめる。
02 答えを確認する
曖昧なまま正解にせず、迷った単語に印をつける。
03 時間を空けて再確認する
印のある単語を、答えを見ずにもう一度。
速くめくることではなく、速く正確に思い出すことが目的。
何秒も考えれば分かる単語は、覚えていないわけではありません。でも、読解中には、その数秒が積み重なります。最初は正確に。そのうえで、少しずつテンポを上げる。赤シートを動かす速さも、理解が追いつく範囲で上げていきましょう。
「noting」と「nothing」を見分けられるか
速さと同じくらい大切なのが、文字を正確に見ることです。例えば、この二つ。
似ている単語ほど、正確に見る
noting
note(注目する・書き留める)の -ing 形
nothing
何も〜ない/何もないこと
似た見た目でも、意味は違う。雰囲気で読み飛ばさない。
It is worth noting that …
→「……ということは注目に値する」
worth:〜する価値がある
ここを「nothing」だと思い込むと、文の意味がつかめなくなります。視読は、単語の雰囲気から適当に推測する読み方ではありません。細かな違いを見分けながら、意味を素早く捉える。この両方を練習していきます。
文章では「意味のまとまり」で読む
単語の確認と並行して、文章でも練習しましょう。おすすめは、一度解いて、内容や構文を確認した英文です。意味が曖昧な文章を無理に速く読んでも、理解したつもりになりやすいからです。
先ほどの「It is worth noting that …」も、「……ということは注目に値する」というまとまりで受け取る練習をします。一語ずつ訳を組み立て直す負担を、少しずつ減らしていくのです。
文章の読み直し:理解を確かめながら進む
01 意味と構文を確認する
分からない語句や文のつながりを、そのままにしない。
02 まとまりで読み直す
一語ずつ止まらず、意味のまとまりを意識する。
03 内容を説明する
「結局、何が書いてあった?」に、自分の言葉で答える。
説明できなければ、速さを落として確認に戻ろう。
読むときに頭の中で声がすること自体は、悪いことではありません。無理にその声を消そうとする必要はありません。目標は、内容を正確につかみながら、必要以上に立ち止まらず読めるようになることです。
国語でも「言葉」と「つながり」を捉える
現代文や古文にも、共通する部分があります。現代文なら、言葉の意味に加えて、「しかし」で話がどう変わったか、「つまり」で何をまとめたかを捉える。古文なら、単語や助動詞を確認しながら、誰が何をしたのかを追う。
ただ目を速く動かすだけでは、読解力は伸びません。語彙や文法を身につけ、それを文章の中で使う練習が必要です。理解できる文章を、正確さを保ちながら少しずつ速く読む。この積み重ねを大切にしてください。
読む時間を短くして、考える時間をつくろう
読む時間を短くできれば、その分、選択肢を比較したり、本文の根拠を確認したりする時間を確保できます。今日から取り組んでほしいことは、単語を見てすぐ意味を答えること、理解済みの文章をまとまりで読むこと、そして内容を説明して理解を確かめることです。
一度説明を聞いて、すぐ完成する技術ではありません。でも、毎日の勉強で意識することはできます。
「試験中にすぐ使える」まで育てる。
単語帳を開くときも、過去問を読み直すときも、その一歩を意識してみてください。
英心塾では、目標に向けて頑張る、小学生・中学生・高校生を応援しています。
学習や進路でお困りのときは、ぜひお問い合わせください。







