英心塾の中村です。
学力診断テストまで、あと約10日。「まだ点数が届かない」「何を優先したらいいのかわからない」と焦っている中3生もいると思います。保護者の方も、毎日の勉強の様子が気になる時期ですよね。
今回は、直前期に何を勉強するべきかをお話しします。結論から言うと、今は、これまで勉強してきたことを「試験で取れる点数」に変える時期です。
新しい教材を増やすより、取れそうで取れていない問題を確実にする。英心塾では、その勉強を実行するための教材も用意しています。
① 今は、詰め込んだ知識を得点に変える時期
夏休みから今まで、問題集を解き、授業を受け、用語や解き方を覚えてきたはずです。ただ、勉強したことが、そのまま点数になるとは限りません。
見ればわかるけれど、何も見ずには思い出せない。解説を読めば納得するけれど、自分では解き始められない。そういう「あと一歩」の部分が残っていることがあります。
直前期は、この「あと一歩」を埋めることに力を注いでください。 不安に駆られて新しい参考書や問題集を増やす必要はありません。まずは、夏から使ってきた教材、間違えた問題、過去問の答案を開きましょう。
「どれだけ新しいことをやったか」より、「本番で答えられることが、いくつ増えたか」を大切にしてほしいと思います。
② 過去問は点数を出せ!感情を入れるな!
過去問を解いたら、必ず採点してください。まだ実力不足だと思っていても、今の得点を知ることは必要です。
例えば、目標が400点で、現在の得点が350点。その場合に考えるのは、「あと50点を、どの問題で獲得するか」です。「難しかった」「できなかった」「もう駄目だ」で終わらせず、失点の原因を分けてください。
答案を「今日やること」に変える
用語・公式・意味が曖昧。
→ 確認して、見ずに答える
何から始めるか決められない。
→ 例題に戻り、手順を再現
難問で止まり、後半が空欄。
→ 解く順番・時間配分を調整
符号・単位・条件を読み違える。
→ 確認する箇所と動作を決める
点数は説明のための例です。原因ごとに、得点へつながる対策を選びましょう。
知識不足なのに「次は気をつけよう」では解決しません。時間配分が原因なのに暗記だけを増やしても、同じところで困ってしまいます。
「冷徹なまでに科学的であれ!」
不安になるな、ということではありません。不安があっても、答案を見るときには、事実と対策を分けて考えようということです。
なお、解き直せた問題の配点を足しただけで、次の試験の得点が保証されるわけではありません。別の問題でも使える知識や解き方になっているかまで確かめましょう。
③ 理科・社会は、曖昧な知識を最後までつぶす
理科と社会は、直前期にも知識の確認が得点につながる余地があります。「聞いたことはある」「たぶんこれだった」という曖昧な知識を、正確に答えられる知識に変えていきましょう。
用語を書けるか。似た言葉の違いを説明できるか。図や資料の中で問われても答えられるか。覚え直したら、問題で使って確認してください。
語呂合わせも、点数に変えてこそ意味がある
消化の単元なら、こんな覚え方があります。
「大胆スイッチ! 出たし! 全部出た!」
「だ・い・たん・すいッ・ち」と、対応する栄養素をセットで思い出す語呂です。
| 語呂 | 消化液など | 思い出す内容 |
|---|---|---|
| だ → で | 唾液 | デンプンを分解する |
| い → た | 胃液 | タンパク質を分解する |
| たん → し | 胆汁 | 脂肪の消化を助ける |
| すいッ → 全部 | すい液 | デンプン・タンパク質・脂肪を分解する |
| ち → で・た | 小腸での消化の仕上げ | デンプンやタンパク質が分解されたものを、さらに分解する |
語呂の「ち」は腸液に由来しますが、学習では小腸の壁の消化酵素による消化の仕上げを押さえましょう。また、胆汁には消化酵素がなく、脂肪の消化を助けるという点も重要です。
語呂の紹介元:個太郎塾ふじみ野教室「消化と吸収」。小腸での消化の説明は補足しています。
ちょっと笑ってしまいますが、こういう覚え方が思い出すきっかけになることもあります。ただし、唱えて終わりでは駄目です。表を隠して対応を書き、問題でも答えられるか確認する。 ここまでやって、暗記を得点につなげましょう。
理科の計算や実験の考察、社会の資料読み取りなどは、暗記だけでは対応できません。確認した知識を、問題の中でどう使うかまで練習してください。
④ 数学と英語は、取れる問題を確実に取る
英語:英作文と音読帳を、答案につなげる
英作文は、練習してきた表現を確実に使えるようにしてください。取り組んできた18点満点の英作文では、満点を狙うつもりで仕上げましょう。
ただし、暗記した英文をそのまま書けばよいわけではありません。設問の条件に合っているか、語数や文法に問題がないかまで確認する必要があります。
日本語やお題を見て、英文を何も見ずに書く。書けなかった表現を確認して、もう一度書く。この練習を繰り返してください。
読解には音読帳も活用しましょう。意味や文の構造を確かめながら読み、曖昧な単語や表現を拾い直す。声に出して終わらず、意味を捉えて速く読む練習につなげていきます。
数学:基本問題と、練習してきた解法を固める
- 大問1:ノーミスを目指し、符号・計算・単位・答え方を確認する。
- データの整理・分析:用語の意味と、表やグラフの読み取りを確かめる。
- 証明:仮定と結論を整理し、根拠を添えて最後まで書く。
- 関数:座標の求め方、グラフの読み取り、式の作り方を確認する。
解説を見たらわかる問題を、自分の答案で再現できるようにする。今までの練習を得点につなげるために、ここを丁寧に仕上げましょう。
英心塾の教材で「今日の勉強を、明日の得点へ」
こうした勉強を実際に進められるように、英心塾では学力診断テストに向けた教材を作っています。
僕が意識しているのは、「今日これをやったら、明日の答案で何が変わるか」です。ただ分厚い問題集を渡すのではなく、テーマを絞り、得点源を作るための教材を用意しています。
今の課題から、取り組む教材を選ぶ
古文・2時間集中テキスト
→ 2時間を目安に、読み方の要点を集中学習
古文単語100
→ 読解を妨げる語彙の抜けを埋める
50個の例文+10題の練習問題
→ 理解・暗記から実践へ。18点満点を狙う
過去問の英文を厳選した音読帳
→ 意味・構造を捉え、速さと正確さを磨く
図形編/連立方程式編/一次関数編/データの整理と分析編/大問1特訓
→ 今の失点に合う一冊・一単元を選ぶ
英作文なら、50個の例文を理解して覚え、それを10題の練習問題で使ってみる。覚えた表現を、設問の条件に合わせて使えるところまで仕上げます。
古文も数学も同じです。「何をやるか」を明確にし、できなかったことを、答案に書けることへ変えていく。 そのための教材です。全部を一度にやろうとせず、今の答案から必要なものを選びましょう。
⑤ 間違えた問題は、解答を見ずに解き直す
一度間違えた問題を、もう一度解いてみてください。意外と解けないものです。
解説を読んだときには納得したのに、一人で解くと手が止まる。これは、「理解したこと」と「自分でできること」が違うからです。
僕は、教科の知識を補うことを「復習」、解き方の改善を考えることを「反省」と呼んでいます。
知識が抜けていたなら補う。解く手順に問題があったなら変える。そして、解答を閉じて、もう一度最後まで解く。ここまでを一組にしてください。
少し時間を空けて再確認することも大切です。直前に見た答えを覚えているだけなのか、自分の力で解けるのかを確かめましょう。
「今日はこれを極める!」という日を作ろう
毎日すべての教科を少しずつ進めるだけでなく、たまには、一つのテーマを集中的に仕上げる日があってもいいと思います。
「今日は古文の読み方をつかむ」「今日は英作文を何も見ずに書く」「今日は連立方程式の文章題を得点源にする」。そんなふうに、その日の重点テーマを決めるんです。
ただし、「極める」を、ページを全部埋めることにしてはいけません。一日の終わりに、何ができるようになったかを確認してください。
1日集中学習:できるところまで仕上げる
- テーマを一つ決める答案から、得点につながりやすい範囲を選ぶ。
- まず解いて、弱点を見つけるできること・できないことを分ける。
- 知識と解き方を補う復習と反省をして、止まった原因を解消する。
- 解答を閉じて、もう一度解く自分の力で最後までできるか確認する。
翌日、短時間でもう一度。再現できるか確かめる。
一日ですべてを完成させる必要はありません。睡眠を削らず、今の自分が得点につなげやすい範囲を選ぶことが大切です。
直前期だからこそ、勉強時間の長さだけでなく、その時間で、何を答えられるようにしたか。 ここにこだわって取り組みましょう。
妥協しない。無理しない。
残り約10日。やるべきことを絞り、実行を重ねて、目標点に近づいていきましょう。
「答えを見てわかったから、これでいいか」と、確認すべきところを省略しない。今日できることは、今日きちんとやる。
一方で、予定を詰め込みすぎたり、睡眠を削って取り返そうとしたりしない。今日の無理で、明日の勉強や集中を崩してしまってはもったいないからです。
妥協は次の妥協を生む。無理は明日を台無しにする。
保護者の方も、「あと何点足りないの?」と繰り返し確認するより、「今日はどの問題をできるようにする?」と、具体的な取り組みに目を向けていただければと思います。
まずは、過去問の答案を一つ開いてください。そして、取れそうで取れていない問題を選び、今日のうちに解き直す。
その一問、その数点を大切に積み重ねて、学診本番を迎えましょう。







