英心塾の中村です。
「英語の読解は、どうしたら得意になりますか?」この質問への基本的な答えは、実はシンプルです。教科書の英文を、すらすら読めるようにすること。
単語や文法を勉強していても、文章の中で意味を捉えられなければ、読解の得点にはつながりません。教科書を読んで、何が書いてあるか分かる。その状態をしっかり作ることが大切です。
ただ、学力診断テストまで、もう時間がありません。「今から少しでも点数を上げたい」「60点から70点、70点から80点を目指したい」。そんな人に向けて、今回は本番での解き方と、直前期の復習の仕方をお話しします。
まず設問を読む。「何を答えるか」をつかんでから本文へ
直前でも見直せるのが、設問の読み方です。本文を読む前に、まず何を聞かれているのか確認してください。ただ英文を眺めるのと、探すものを意識して読むのとでは、読み方が変わります。
ここでいう「予測」は、答えの内容を勝手に想像することではありません。どんな種類の情報が答えになるのかを、予測することです。
設問は「探すもの」を教えてくれる
なぜ? → 理由・目的
その行動のきっかけや、そうした理由に注目。
何をした? → 行動・出来事
誰が何をしたのかを追う。
どのように? → 方法・手順
どうやって行ったのかを確かめる。
何を指す? → 指示語の内容
前後の文から、指している内容を特定する。
全体で何を伝える? → 話題・結論
最後まで読み、文章全体から判断する。
答えを想像するのではなく、「答えになる情報の種類」を意識する。
難しく考える必要はありません。「理由を探すんだな」「この人物が何をしたかを押さえよう」。その意識を持って、本文を読み始めればよいのです。
本文は順番に読む。解ける問題から答える
設問を確認したら、本文を上から順番に読み進めます。途中で答えの根拠が見つかり、必要な範囲を理解できたら、その問題を解く。ただし、似た単語が出てきたという理由だけで、すぐ答えを決めないようにしてください。
誰が、何を、どうしたのか。前後のつながりまで確認することが大切です。一方、文章全体の内容を問う問題は、最後まで読んでから判断します。部分的な内容を聞く問題と、全体の理解が必要な問題を区別しましょう。
設問で探すものを確認し、本文を順番に読み、根拠がそろった問題を解き、全体を問う問題を判断する。問題によって適した順序は変わりますが、まずはこの流れを意識してみてください。
点数を出したあとが、本当の勉強です
過去問を解いたら、採点して現在の得点を確認します。目標との差を知ることは大切です。でも、そこで「正解だった」「間違えた」で終わっていませんか。
正解したことと、英文をきちんと読めたことは、同じではありません。なんとなく選んで正解した問題もあるでしょう。反対に、英文の意味は分かっていたのに、設問を読み違えた問題もあるはずです。
だから、解き終わったら、もう一度本文に戻ります。そこで取り組んでほしいのが精読です。
精読とは、一文ずつ「分からない」をなくすこと
精読は、ただゆっくり読むことではありません。単語、文の構造、内容のつながりを確認し、一文ずつ意味を明確にしていく作業です。
精読のチェックポイント
単語・熟語
意味の分からなかった言葉はないか。
文の構造
誰が何をしている? 長い修飾は、どこにつながる?
内容のつながり
代名詞や指示語は何を指している?
解答の根拠
答えを支える内容は、本文のどこにある?
和訳を読んだら、英文に戻って対応を確認しよう。
和訳や解説も活用してください。ただし、日本語訳を読んで「なるほど」で終わらせないこと。英文に戻って、「この英語が、この意味になるのか」と確認する。
自分では解決できない部分が残ったら、そこを質問しましょう。「全部分かりません」よりも、「この文の、この部分が分かりません」と言える状態にすると、疑問を解消しやすくなります。
精読したら、最後は「読み慣らす」
意味が分かったら、そこで終わりではありません。もう一度、英文を読みます。さらに、もう一度読む。音読も使いながら、意味を捉えたまま、つかえずに読める状態を目指してください。
最初は、単語の意味を思い出したり、文の構造を確認したりして、時間がかかると思います。でも、理解した文章を繰り返し読むことで、毎回立ち止まっていた部分を、少しずつスムーズに読めるようにしていくのです。
読解の勉強は、この3段階で完成させる
01 解く|今の課題を知る
制限時間内で取り組み、採点。目標との差と失点の原因を確認する。
02 精読する|曖昧さをなくす
単語・構文・内容・解答の根拠を、一文ずつ明確にする。
03 読み慣らす|すらすら読む
理解した英文を、意味を追いながら繰り返し読む。
読めない部分に戻りながら、「理解して読める英文」を増やす。
音読なら、声を出すだけにならないよう注意してください。「今、何の話をしているか」が分かる速さで読むこと。意味が追えなくなったら、速さを落として確認します。
問題を解いた回数だけでなく、読めるようになった英文を増やしてほしいのです。
教科書は、身近にある読解練習の教材
読解の土台を見直したい人は、まず中3の教科書から取り組みましょう。学校で学んだ英文でも、改めて読むと、意味が曖昧な単語や、うまく理解できない文が見つかることがあります。それを一つずつ確認して、読み直す。
教科書をすらすら読めるかどうかは、基本的な語彙や文法を、文章の中で使えているかを確かめる機会になります。直前期なので、手当たり次第に広げる必要はありません。出題範囲内の本文や、理解が曖昧な単元を優先してください。中1・中2の文法につまずいている場合は、必要なところまで戻って確認しましょう。
新しい長文を次々に解く前に、すでに学んだ英文を、本当に読める状態にする。この当たり前の勉強を、丁寧にやり切ってほしいと思います。
単語に不安がある人へ。「1週間で覚える英単語210」
読み方を工夫しても、重要な単語の意味が分からなければ、文章の内容を捉えるのは難しくなります。単語力に不安がある人は、単語の勉強も進めましょう。
そのために、塾では「1週間で覚える英単語210」を作りました。1日30個ずつ、7日間で取り組む教材です。
1日30個 × 7日間 = 210個
今日の30個を確認
意味を覚えたら、隠して答えられるかチェック。
昨日の分も、もう一度
思い出せなかった単語を、その日の復習に加える。
英文の中でも確かめる
覚えた単語が出てきたら、その文での意味をつかむ。
「見た」だけで終わらず、「答えられるか」で確認。
見るだけ、書くだけで終わらず、意味を隠して答えられるか確認してください。前日に覚えた単語も、翌日にもう一度チェックします。今日の30個を覚える。そして、昨日の30個も忘れていないか確かめる。単語学習と読解練習をつなげていくことが大切です。
残り1週間。「解いて終わり」を卒業しよう
直前期は、焦って問題数を増やしたくなるかもしれません。でも、昨日読めなかった英文が、今日も読めないままなら、同じところでつまずいてしまいます。
今日取り組んだ一題を、明日はもっと正確に、スムーズに読めるようにする。その積み重ねを大切にしてください。
精読する。そして、読み慣らす。
単語に不安がある人は、「英単語210」もやり切りましょう。残りの時間で、読める英文と、使える知識を一つずつ増やす。学力診断テスト本番まで、目標点に向けて取り組んでいきましょう。







