英心塾の中村です。
昨日、「読解系の科目の成績が上がらない。どう勉強したらいいですか?」という質問がありました。
英語も国語も、文章を読む科目です。ただ問題をたくさん解けば伸びるのかというと、何を意識して読んでいるかによって、勉強の成果は変わります。
今回は、学力診断テストも近いので、国語の読み方についてお話しします。「よく読みなさい」と言われても、何をどう読めばいいのか分からない。そんな人にこそ、知ってほしい内容です。
最初に「何の文章を読んでいるか」をつかもう
現代文を読むとき、まず意識してほしいのが文章の種類です。高校受験の学習では、代表的なものを次の4種類に整理すると、読み方が分かりやすくなります。
文章が変われば、注目するところも変わる
論説文|主張と根拠
筆者は何を主張し、何を根拠にしている?
説明文|説明のまとまり
何について、どんな仕組みや特徴を説明している?
物語文・小説|出来事と心情
誰が何を経験し、気持ちや考え方がどう変わる?
随筆|体験と考え
出来事を通じて、筆者は何を感じ、考えた?
分類名を当てることより、「どこを見るか」が大切。
実際には、それぞれの特徴が混ざる文章もあります。名前を当てること自体が目的ではありません。文章の種類を意識すると、注目すべきところが見えてくる。これが大切なのです。
① 論説文は「誰の意見か」を分けて読む
論説文では、まず筆者の中心的な主張をつかみます。細かな意見がいくつか出てきても、文章全体として何を伝えたいのかを考えるのです。
よくあるのが、一般的な考え方と筆者の考え方を対比させる書き方です。「一般にはこう考えられている。しかし、私はこう考える。なぜなら、このような事実や事例があるからだ」という流れです。
一般論は、広く共有されている考え方です。特定の誰かの意見が紹介されることもあります。大事なのは、文章に出てきた意見を、全部筆者の意見だと思わないこと。「誰がそう考えているのか」を区別してください。
「確かに」「なるほど」と相手の意見をいったん認めてから、「しかし」と切り返すことがあります。これを「譲歩」といいます。例えば「確かに速さは大切だ。しかし、正確さを失っては意味がない」なら、筆者が強く伝えたいのは後半です。
一般的な考え・他者の意見/筆者の主張/主張を支える根拠を分けてみましょう。具体例が出たら、「これは何を説明するための例なのか」と考えてください。
② 説明文は「段落の役割」をつかむ
説明文では、一つのテーマについて、仕組みや特徴、原因、変化などが説明されます。ある道具の説明なら、「どんな道具か」「どう使うか」「どんな仕組みか」と、説明する側面が変わっていきます。
段落ごとに、「ここでは、何について、何を説明している?」と問いかけてください。余白に「特徴」「仕組み」「具体例」「課題」などの短い見出しをつけるのもよい練習です。
一つの意味のまとまりが、複数の段落にまたがることもあります。段落をばらばらに読むのではなく、「前の説明を受けて、何を付け加えたのか」まで追いましょう。
③ 物語文・小説は「出来事と心情の変化」を追う
物語文では、あらすじをつかむことが大切です。いつ、どこで、誰が、何をしたのか。そして、その出来事によって、人物の気持ちや考え方がどう変わったのかを追います。
心情は「きっかけ」と結びつける
出来事
何が起こった? 誰が何をした?
受け止め方
その人物は、出来事をどう受け止めた?
心情の変化
その結果、どんな気持ちになった?
表情・言葉・しぐさ・行動など、本文の根拠を探そう。
気持ちが「悲しかった」「うれしかった」と直接書かれる場合もあれば、表情や行動から読み取る場合もあります。ただし、「自分だったらこう感じる」という想像だけでは答えになりません。本文のどこを根拠に判断したのかが必要です。
心情を説明する問題では、設問に応じて「こういう出来事があり、それをこのように受け止めたので、こういう気持ちになった」と整理します。気持ちの名前だけでなく、その理由を捉える。人物の見方が変わる場面は、作品の主題を考える重要な手がかりです。
④ 随筆は「体験」と「そこから考えたこと」を結ぶ
随筆では、筆者の体験や見聞きした出来事をもとに、感想や考えが述べられます。物語との区別を「本当にあった話かどうか」だけで判断する必要はありません。筆者自身のものの見方がどう語られているかに注目しましょう。
例えば「身近すぎて気づかない大切さがある」という考えを伝えるために、家族との出来事や、故郷を離れた経験が紹介されることがあります。表面上は別々の話でも、伝えたいことはつながっています。
「何があったか」で終わらず、「その経験から何を感じ、考えたか」まで読む。共感できるかどうかと、正しく読み取れるかどうかは別です。「自分はそう思わない」と感じても、まず筆者が何を言っているかを受け取りましょう。
どの文章でも役立つ、3つの論理関係
文章の筋道を見る、3つの視点
因果関係|原因 → 結果
「誤解が解けた」ので「安心した」。何が原因で、どんな結果になった?
対比|AとBの違い
周囲は楽観的だが、本人は深刻。何を比べ、どんな特徴を目立たせている?
言い換え・具体化|考えを説明し直す
「他者の立場に立つ」。例えば「相手の事情を考える」。どの考えを説明する例?
接続語を目印に、文と文のつながりを追おう。
文章のつながりが、この3つだけで説明できるわけではありません。ただ、ここに注目すると、かなり読みやすくなります。
具体例は、単に面白い話として挿入されているとは限りません。前後の抽象的な説明を分かりやすくする役割があります。「例えば」の後を読んだら、「つまり、何の例?」と戻って考える。「しかし」なら、何と何が対比されているのかを見る。そんな練習をしてみてください。
語彙力がなければ、読み方を知っていても届かない
読み方の土台になるのが語彙力です。主題に関わる重要な言葉の意味が分からなければ、筆者の考えを正確には受け取れません。知らない言葉が出てきたら調べ、そのうえで、今回の文章ではどういう意味で使われているかを確かめてください。
これは普段の生活でも同じです。知らない言葉を聞いたとき、「なんか難しいことを言っているな」で流すのはもったいない。スマホが手元にあるなら、その場で調べることもできます。日常の小さな疑問を、語彙力を増やす機会にしてほしいと思います。
古文は「単語・主語・助動詞」を押さえる
古文では、まず塾で用意している「古文単語100」を確認してください。ただ、単語を覚えるだけで読解が完成するわけではありません。
次に大切なのが、誰が何をしているかを追うことです。人物が出てきたら丸で囲み、呼び方が変わっても同じ人物なのかを確認する。主語が省略されたら、会話や動作のつながりを手がかりに考える。動物などが人のように話す物語なら、その登場者も整理しておきましょう。
現代語の感覚で読み違えやすい助動詞にも注意が必要です。「む」は、文脈によって「〜しよう」という意志や「〜だろう」という推量などを表します。「ん」と表記されることもあります。
「ぬ」は、直前の形まで見る
花 咲かぬ 春|打消
花が咲かない春。「咲か」(未然形)+打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」。
花 咲きぬ。|完了
花が咲いた。「咲き」(連用形)+完了の助動詞「ぬ」の終止形。
「ぬ=打消」と決めつけない。句点だけでなく、動詞の形と文脈を確認!
こうした読み方は、塾で作った古文の練習ワークでも扱っています。単語と読み方をセットで学んで、得点につなげましょう。
解き直しでは「何を読み落としたか」を言葉にする
国語の勉強を、答え合わせだけで終わらせてはいけません。間違えた問題は、原因を具体的にしてみてください。
間違いを、次の読み方につなげる
他者の意見を筆者の主張と取り違えた
次は「誰の意見か」を確かめる。
具体例の役割が分からなかった
次は「何を説明する例か」を前後から探す。
心情の変化を見落とした
次は「きっかけの出来事」と「変化後の言動」を結ぶ。
重要な言葉を勘違いしていた
意味を調べ、本文中での使われ方まで確認する。
「もっとちゃんと読む」から、「何を見て読むか」へ。
ここまで分かれば、次に何を意識するかが決まります。何を見て、どう読むかまで決める。それが、次の一問につながる復習です。
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